変なフィルム、現像体験記。
昨晩、みんなのアイドル N.T さんに依頼された、へんなフィルムを現像いたしました。 みのりパンSS。 Wikipedia でも間違った記載(笑)をされているフィルムです。 俗にボルタ判とよばれる正方形フォーマットです。 で、その間違った記載をしている(笑)によると、1995年頃まで製造(!?)されていたそうです。 単純計算で、20年前!? っていうか、そのフィルム、もっと古い可能性があるから。。。 なにも言うまい。 で、奇妙な縁で、現像を頼まれた訳です。 モノクロの現像なら、今まで少なくとも1000回以上やって、失敗したのが、2、3回、という99%以上の成功率を誇るshikichic⭐︎です。 腕まくりして、N.T さんの期待に応えるべく考えました。 まず、考えられること。(以下専門的なので、分かる人にはわかるけど、わかんない人には全く分かんないので、読み飛ばしてください。) 冷静に考えると、ものすご〜く古いフィルムなので、光には当たってなくても、もうネガのベースが真っ黒になっている可能性大、というか、ほぼ間違いなし。 相当に減力して、現像すること。 リールには巻けないので、メスカップを使って、入れたり出したりして攪拌すること。 そのためには、全暗室にしなければならないこと。 以上、3点を考慮して、T-MAX Dev 1:9 10℃ (通常は、1:4、20℃ がスタンダード。) 考えられる部屋の電気を全部消して、おトイレを全暗室にすること。 攪拌ですが、まぁ、なんとかなるでしょ。 ゴム手を履けば。 ということで、スタートしようといたしましたが、いったん暗室にして気づきました。 ウォシュレットの電気ついてる。 過去に、これで失敗したことがあるので電源を切りました。 後は、カラープリント用のセーフライト、を準備していざスタートです。 。。。 。。。 。。。 今どれぐらいたったかわかんない。。。 不安になります。 とりあえず、フィルムをセーフライトにかざして、あとはもうカンです。 相当減力しているとはいえ、古いフィルムです。 一番怖いのは、全部真っ黒。。。という結果です。 とにかくカンで、もう良いかな、もう良いかな、とセーフライトにかざします。 そして、時は満ちた!!、と(あくまでカンで。)、停止、定着です。 さてさて、どうだろ、と思って、セーフライトにかざすと、(あくまでセーフライトの下で。)、すごく透明でした。 うわー、透明でキレイ、、、なんて思っている場合ではありません。 真っ青になって、現像液に漬け直します。 せめて、完全透明だけは勘弁してくれ、勘弁してくれ、と祈るような心持ちで現像液に漬け直して漬け直してみますが、状態は変わらず。。。 今度ばかりは、手に負えなかったか。。。と思って、定着液に、10分浸して、おトイレを出てライトをつけ、とりあえず水洗です。 もう、悲しくてフィルムを見る気持ちにもなりません。 あぁ、みんなのアイドル、すごく悲しむだろうな、どうしよ。。。と思いつつ、QW (簡単に言うとフィルムの洗剤です。)に漬けて、また水洗して、DW (水切れを良くする液。)に浸して、ふと気付きました。 (読み飛ばした方は、この辺で読み直してください。) 真っ黒でも、完全透明でもない!? ベースは少し黒いけど、ほのかに何かが写っているあとがある!? みんなのアイドルの期待にちょこっとだけど応えられたかも!? そんなわけで、乾燥のためにクリップに吊るして、お風呂のライトにかざすと、確かに、正方形の像があります。 でも、何が写っているかはわからない。。。 これって、成功といえるのか。。。は置いといて、できることはちゃんとやった。(ホントは、もうちょっと気づけば良い点があったのですが。) 完全燃焼。 ふと、外を見ると、もう、少し明るくなっていました。 完全燃焼。 1日の疲れと、現像の疲労とが ワタクシ shinkichic⭐︎ を眠りに誘いました。 起きてから気づきました。 端っこだけ切って、テスト現像すれば、もうちょいよかったかも。 後悔先に立たずです。 またこういうことがあれば(?)もうちょっと上手にやろう、と思いました。 おしまい。